『阿伏兎(あぶと)観音』その8

 
 
 観音様に御礼を込めて、もう一度手を合わせてお堂をあとにいたしました。
 
 
 三重塔は鐘楼に向かって右手に折れて海岸へ降りて行き、小道に沿って歩くと直ぐ。
「気持ちいいなぁー♪」
深呼吸すると礒の香りが胸いっぱいに広がります♪
 
 
 
《三重塔から臨む、観音堂
 
 
 標高28メートル、10メートル余りの高さの断崖の上の観音堂は、
晴れていれば
お堂の朱色と青空のコントラストが非常に美しく、目に焼き付いて忘れられないほどの絶景となります。
 
 
 実際はもっと素晴らしいのですよ〜!腕が悪いのも加えて、こんな写真で申し訳ありません(T_T)
 
 
 
《迫力満点◎真下から見上げる、観音堂と常夜灯》
 
 
 さて、
こちらの御本尊として祀られている『石造十一面観音』には、ちょっとした逸話がございます。
 
 
 
 航海安全を祈願して、花山法皇により祀られた『石造十一面観音』様ですが、
1185年の源平合戦により被害を受け激しく荒廃してゆきました。
 
 その後1338年のある日のこと。かねてから『磐台寺』を厚く信仰していた“ある鞆の漁師”の夢枕に、観音様はお告げを授けました。
 明くる日、さっそく阿伏兎岬の沖合いに網をかけてみると……お告げどおり!『石造十一面観音』様を網にかけ引き上がり、めでたく再安置されることとなりました。
 
 
 きっとこの漁師さんは皆に感謝され、一躍時の人になったことと思いますp(^-^)q
 
 
 
(次に続きます。。)